INTRODUCTION

Optoについて

コンテンポラリーダンスを通じて、質の高い舞台芸術に触れていただきたい。そんな思いから、2012年渡辺レイを筆頭に活動をスタートさせたオプト。メンバーの渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻は、Nederlands Dans Theater(NDT1,メインカンパニー)に在籍し、現代振付家の巨匠イリ・キリアンをはじめ、世界的な振付家たちの作品に出演し、実績と経験を積み上げてきました。同じルーツを辿った3人は近年多岐にわたり活躍しています。その3人が中心となり創り出すダンスパフォーマンスは、世界的な振付家の作品を上演できる数少ない日本のダンスプロジェクトとなっています。

「optofile_touch」の上演作品について

Opto「optofile_touch」Contemporary Dance Performance

新たな表現の追求を志向するOptoでは、公演毎に新作クリエーション(創作)に挑んでいます。
本公演では、Optoで3度目となる小㞍健太の新作『NEP and BAT』を、渡辺レイのソロ作品として披露いたします。またOpto公演にて初めてとなる湯浅永麻による自作自演ソロ『media (仮)』は、1つの身体から生まれる、動きの多面性と、そこに共存する表現の多面性を紡いでいきます。

そして、ゲスト振付家として、2017年にOptoにより初めて日本で紹介された世界で最も注目されているカナダ出身の振付家クリスタル・パイトによる振付作品『The Other You』の再演をいたします。音楽(ベートーヴェン「ピアノソナタ第14番月光」)を奏でるようなムーブメントで 感情を身体で視覚化し、ダンサーの表情や動きがダイレクトに観客に訴えかけてくる素晴らしい作品です。本公演では、スウェーデン王立バレエ団ファーストソリストのアンソニー・ロムルホ(マッツ・エック版「ジュリエットとロミオ」ロミオ役初演)をゲストに迎え、小㞍健太と共演します。

また、プラハを拠点にダンサー/振付家として活躍するヴァツラフ・クネシュ(420PEOPLE主宰/芸術監督)による『Recall』は、Optoのメンバー(渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻)とクネシュ自身の4人のために振り付けられ、本公演ではクネシュ氏の意志を継いだ若手ダンサーフィリップ・スタニェック(ヴァツラフ・クネシュ主宰カンパニー「420PEOPLE」所属ダンサー)が出演いたします。混沌とした中にも調和が見え隠れする4人のパートから、渡辺レイと小㞍健太、湯浅永麻とフィリップ・スタニェックによる2つのデュエットへと続きます。抽象的な作品の中にもダンサーの個性が光ることで、それぞれの物語があるかのように見える魅力的な作品です。

PROGRAM

『The Other You』

(再演)

『The Other You』は、人間と野獣、支配と従属、愛、喪失と孤独の中から、自己と他我の関係性を模索しています。人間の存在するところにある身近な物語と、その物語を体現し、伝える身体の役割という、パイトが惹かれてやまないテーマ。シンプルなジェスチャーから身体は深い意味を伝え、観客を作中へと導きます。ダンサーの身体が生み出す強烈な言語によって人々は自己に投影し、それぞれの物語として感じることができるでしょう。

振付演出:クリスタル・パイト
音楽:Owen Belton,Ludwig van Beethoven “Piano Sonata No.14 in C Sharp Minor, Op.27 No.2”
照明デザイン:Robert Sondergaad
衣装:Linda Chow
リハーサル指導:Jiri Pokorny
出演:小㞍健太&アンソニー・ロムルホ
初演:2010年11月4日 ドイツ/フランクフルト、クンストラーハウス・ムソントム劇場[Kidd Pivot “The You show”]
*写真は前回公演“optofile4”より photo by Ryu Endo

『NEP and BAT』

(新作)

渡辺レイのソロを、小㞍健太と現代作曲家として活躍する小出稚子の協働クリエーション(創作+新曲)を経て、サクソフォン奏者の大石将紀によるライブ演奏と合わせて上演される。渡辺の持つ独特な雰囲気と音楽が織りなす世界は不思議と小さな生き物が必死に生きている様を思い描かせる。

振付演出:小㞍健太
音楽:小出稚子(新曲)
衣装:川島映子
演奏:大石将紀(サクソフォン奏者)
出演:渡辺レイ
*写真は前回公演“optofile4”より photo by Ryu Endo

『media (仮)』

(新作)

「外」との交流で常に変動する「内」そしてそこからまた「外」へ
<媒体としての身体>
その中に入っている「自分」
向かい合う他者や環境で常に違う面が現れる。
どれが自分の面か
面は増え続けていつかは完全な「たま」に限りなく近づくように

振付演出:湯浅永麻
出演:湯浅永麻
*音楽、衣装未定
*写真はイメージです photo by Isao Tsuge

『Recall』

(再演)

幾つかの記憶は最期まで鮮明に色濃く残るなか、ある記憶は新しい出来事に揉み消されその影を薄くする。
私たちは時に記憶を「無」意識的に修正している。ある出来事を思い出し、呼び戻す時、それらは直接に私達の今現在の視点に繋がり、時間の経過によって、思い返す記憶は時に新たな色を持つのである。

振付演出:ヴァツラフ・クネシュ
音楽:Jan Slkl / Zabelov Group
出演:渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻、フィリップ・スタニェック
初演:2017年10月14日 桐生市市民文化会館[Opto“optofile4”]
*写真は前回公演“optofile4”より photo by Ryu Endo

CAST PROFILE

Photo:Joris-Jan Bos
渡辺レイRei Watanabe|代表

群馬県太田市出身。山本禮子に師事。第47回東京新聞全国舞踊コンクール第1 位、文部大臣奨励賞受賞。ネザーランド・ダンス・シアターⅠ、リヨンオペラ座バレエ団などに所属し20 年間ヨーロッパを拠点に活躍。キリアン、フォーサイス、マッツ・エック、オハッド・ナハリンなど多くの世界的振付家による作品を踊る。2000年マルティーノ・ムラー振付『ロミオとジュリエット』のジュリエット役でベストダンサー賞を受賞。ヴァツラフ・クネシュ率いる420people や金森穣率いるNoism07 北南米ツアーなどにも出演。12年日本を拠点にOptoを結成。17 年K バレエカンパニー公演にて熊川哲也氏と『Fruits de la passion』を共作共演。18年 K バレエカンパニー公演に『FLOWROUTE』を振付。また、K スクールや山本禮子バレエにてコンテンポラリークラスの指導など後進の育成にも力を入れ、芸術文化の研鑽に積極的に務めている。

Photo:Joris-Jan Bos
小㞍健太Kenta Kojiri

1999年ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロ・スカラーシップ賞受賞。モナコ公国モンテカルロバレエ団などを経て、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアター1 に初の日本人男性として入団。退団後も、シルヴィ・ギエム「6000 Miles Away」、Noism1、スウェーデン王立バレエ団等に客演。『Study for Self/portrait』、『光のヴァイブレーション』等の創作活動をはじめ、オペラやミュージカルの振付、フィギュアスケート日本代表選手の表現指導、新国立劇場バレエ研修所講師など国內外で多岐にわたって活躍。近年は渡辺レイらとのOptoを主宰するほか、千葉市・ヒューストン市姉妹都市提携45 周年記念バレエ公演の芸術監督および実行委員長、Dance Lab「ダンサー、言葉で踊る」のキュレーターを務める。
また東京大学を拠点とした社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業「AMSEA」第2期生として受講するなどダンサーの在り方を考える活動をめざす。

Photo:Joris-Jan Bos
湯浅永麻Ema Yuasa

ダンサー・振付家。ネザーランド・ダンス・シアターに11年間所属後フリーとなり、スウェーデン王立バレエ団のマッツ・エック版『Juliet&Romeo』ジュリエット役、サシャ・ヴァルツ『Körper』等にゲスト出演。弦楽四重奏団Kronos Quartet、現代美術家/ピアニストの向井山朋子や、能楽師の安田登など多様なアーティストとコラボレーションする傍ら、渡辺レイ・小㞍健太と共同でOpto としても活動、シディ・ラルビ・シェルカウイ率いるEASTMAN にも所属する。2018 年は、シェルカウイ演劇作品『プルートゥ』出演、建築家田根剛×ファッションデザイナー廣川玉枝との『enchaîne』、廣川玉枝×メディアアート脇田玲との『XHIASMA』など立て続けにコラボレーション作品を発表。向井山朋子の新作『雅歌(GAKA)』への出演など、国内外での活動が目ざましい。

Photo:Joris-Jan Bos
クリスタル・パイトCrystal Pite

カナダ出身、振付家。1990年以来、ブリティッシュ・コロンビア州バレエ団、ネザーランド・ダンス・シアターI、クルベルグ・バレエ団、フランクフルト・バレエ団、カナダ・ナショナル・バレエ団、バレエ・ジャズ・モントリオール、シーダ・レイクバレエなどに40以上の作品を発表。2013年ロンドン・サドラーズ・ウェルズ劇場のアソシエートアーティストに任命。2002 年自身のカンパニー「Kidd Pivot」を結成。オリジナル音楽、テキスト、ビジュアルデザインを統合した『テンペスト レプリカ』は数多くの国際ダンスフェスティバルに招聘され成功を収めた。2012年には、ロラ・アワード2008 総督就任、及びカナダ評議会の2012ジャクリーン・ルミュー賞を受賞。2015年、ロンドン劇場界で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞の最優秀ダンス賞を受賞、2017 年には、ダンス界のアカデミー賞と称されるブノワ賞(振付部門)を受賞している。近年、パリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤルバレエ団にて新作を発表し、脚光を浴びる。

Photo:Joris-Jan Bos
ヴァツラフ・クネシュVaclav Kunes

チェコ出身。NDTI(ネザーランド・ダンス・シアター)に11年間在籍。2004年よりフリーランス活動を始め『勅使川原三郎KARASの世界ツアー』に参加。ロベルト・ボッレ、シルヴィ・ギエムのガラ公演などに出演。またミラノ・スカラ座バレエ団などにてイリ・キリアンの作品を指導。『Temporary Condition』(フランス国立ボルドーバレエ団委託)など、数多くの振付作品を手がけ、2007年には、自身のプロジェクトカンパニー「420 PEOPLE」を設立。2008年に発表した『Small Hour』では、チェコ劇場文化賞を受賞。フランス、スペイン、ドイツ、韓国など招聘公演を行う。

小出稚子Noriko Koide

作曲家。東京・オランダ・インドネシアで作曲とガムランを学ぶ。自作自演ユニット「鬼子母神不眠ガールズ」、エロティシズムをテーマとするアート・ユニット「すけべ人間」各メンバー。作品の題材によって様々な作曲スタイルを用いながらも、斬新なオーケストレーション、細やかな音形や特殊奏法などによって造られる音響のテクスチュアと色彩が、小出の作風を特徴づけている。

大石将紀Masanori Oishi

クラシカル・サクソフォン奏者。東京芸術大学卒、同大学院修士課程修了後、パリ国立高等音楽院に入学。文化庁派遣芸術家海外研修員として研鑽を積む。サクソフォン科、室内楽科、即興演奏科を最優秀の成績で卒業。現在日本を拠点に、国内外で演奏活動を行う。東京現音計画メンバーとして第13 回サントリー芸術財団佐治敬三賞受賞。東京芸術大学、東邦音楽大学、洗足学園音楽大学非常勤講師。
www.m-oishi.com

INFORMATION

PLACE & DATE

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

2018年12月8日(土)、9日(日) 14:30 開場 15:00 開演



共催/企画制作

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(埼玉公演)

愛知県芸術劇場 小ホール

2018年12月15日(土)、16日(日) 13:30 開場 14:00 開演



主催/企画制作

Opto、愛知県芸術劇場(愛知公演/関連ワークショップ)

活動助成

2020文化芸術イニシアティブ(https://taci.dance/)

助成

芸術文化振興基金助成事業

TICKET

PRICE

全指定席(税込)

前売り 4,500円/当日 5,000円/U25 3,000円(1公演につき10枚限定/25歳以下対象、入場時要身分証提示)

※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※車椅子でご来場のお客様は、事前に各劇場へご連絡ください。

HOW TO PURCHASE TICKETS

埼玉公演
前売終了/当日券販売予定あり

≫チケット発売日

一般発売:2018年9月14日(金)
SAFメンバーズ:2018年9月7日(金)

≫販売窓口

SAFチケットセンター

0570‐064‐939 (休館日を除く10:00~19:00)

[窓口] 彩の国さいたま芸術劇場(休館日を除く10:00~19:00)
   埼玉会館(休館日を除く10:00~19:00)
[PC] http://www.saf.or.jp/*PC 画面でお席が選べます。
[携帯] http://www.saf.or.jp/mobile/

埼玉会館

窓口のみ(休館日を除く10:00-19:00)

愛知公演

≫チケット発売日

一般発売:2018 年9月14日(金)
愛知県芸術劇場メンバーズウェブ先行:2018年9月7日(金)10:00~9月8日(土)23:59

≫チケット取扱い

愛知芸術文化センター内プレイガイド

052‐972-0430(平日10:00〜19:00/土日祝休日10:00〜18:00/月曜定休、祝休日の場合は翌平日)

愛知県芸術劇場オンラインチケットサービス

http://www.aac.pref.aichi.jp/gekijyo/syusai/